
「話すスピードに追いつけない」「どこまで書けばいいの?」と迷うのは自然なことです。すべての発言を書き取ろうとすると、大切な決定事項を見失いやすくなります。
この記事では、初心者向けに議事録の書き方を整理し、会議前の準備から例文まで紹介します。会議後に「誰が、何を、いつまでにするか」が伝わる形を目指していきましょう。
- ✨ 議事録に残す基本項目と書く順番
- ✨ 会議中に慌てないメモの取り方
- ✨ すぐに使えるテンプレートと例文
初心者の議事録は「決定事項・担当者・期限」を中心に書く
議事録は、会議の内容をあとから確認し、次の行動につなげるための記録です。基本は決定事項と、その決定に至る重要な経緯を、読み手が理解できるように整理します。
会議に参加しなかった人でも、何が決まり、何がまだ決まっていないかを把握できる状態が理想です。
提案された内容と、正式に決まった内容は分けて記載しましょう。「こんな方法もある」という意見を決定事項として書くと、認識の食い違いにつながります。
なお、記録の詳しさは会議の目的によって変わります。最初に過去の議事録や社内の指定様式を確認すると、必要な情報量をつかみやすくなります。
議事録に入れる基本項目
- 会議名
- 開催日時・場所、または開催方法
- 出席者・記録者
- 議題
- 決定事項
- 主な意見・判断の理由
- 対応事項・担当者・期限
- 保留事項・次回の確認事項
通常の社内打ち合わせなら、この項目を土台にできます。法令や社内規程に基づく会議など、専用の様式がある場合はそちらを優先してください。
会議前にひな形を作ると記録しやすくなる

会議が始まってから白紙の画面に書き始めると、聞くことと整理することが同時に必要になります。先に会議名・出席者・議題の枠を用意しておくと、会議中は内容の記録に集中できます。
最初に確認したい3つのこと
- 過去の議事録や指定テンプレートはあるか
- 誰に共有し、いつまでに提出するか
- 共有前に誰の確認を受けるか
同じ職場でも、部署内の打ち合わせと顧客との会議では、求められる書き方が異なることがあります。
録音や文字起こしを使う場合は、自己判断で始めず、社内ルールと参加者への確認に従いましょう。外部サービスへの入力についても、扱う情報に応じた確認が必要です。
事前に埋められる項目を入力する
案内メールや議題一覧を見ながら、日時や議題を入力しておきます。人名や専門用語も、わかる範囲で確認しておくと聞き取りやすくなります。
議題ごとに「決定」「対応」「保留」の欄を作っておくと、話が前後しても整理しやすくなります。
会議中は文章を整えず、要点を短くメモする
会議中のメモは、完成した文章でなくても大丈夫です。まずはあとから正確に整理できる材料を残すことを優先しましょう。
短い目印を付けて書き分ける
- 決定:正式に決まった内容
- 対応:実施すること、担当者、期限
- 保留:まだ結論が出ていない内容
- 要確認:聞き取れなかった内容や不明な点
たとえば「資料更新/田中さん/11月12日」と短く記録し、会議後に「田中さんが11月12日までに提案資料を更新する」と整えます。
曖昧な担当者や期限は確認する
「なるべく早く」「誰かが対応する」という表現だけでは、あとから行動しにくくなります。
聞き取れなかった内容を推測で埋めることは避けましょう。確認する際は、次のように伝えると自然です。
- 「記録の確認ですが、担当は田中さんでよろしいでしょうか」
- 「期限は11月12日という理解で合っていますか」
- 「こちらは決定ではなく、次回までの検討事項でしょうか」
会議中に確認しにくければ、不明点に目印を付け、終了後に確認します。議題が終わるタイミングで決定事項を確認すると、認識のずれを早めに見つけられます。
そのまま使える議事録のテンプレート
以下は、日常的な社内打ち合わせを想定したひな形です。決定事項を先に置くと、忙しい読み手も要点を把握しやすくなります。
会議名:〇〇打ち合わせ
日時:〇年〇月〇日 〇時〜〇時
場所・開催方法:〇〇会議室/オンライン
出席者:〇〇、〇〇、〇〇
記録者:〇〇
【議題】
〇〇について
【決定事項】
〇〇を実施する。
【主な意見・判断の理由】
〇〇という課題があるため、〇〇の方法を採用する。
【対応事項】
実施すること:〇〇
担当者:〇〇
期限:〇年〇月〇日
【保留事項】
〇〇は情報が不足しているため、次回までに確認する。
【次回予定】
〇年〇月〇日 〇時〜
確認する内容:〇〇
未定の項目に、仮の担当者や日付を確定情報として入れないようにしてください。決まっていなければ「未定」「確認中」と記載します。
議題が複数ある場合は、議題ごとに同じ項目を繰り返せば整理できます。毎回同じひな形を使うことで、書き忘れにも気づきやすくなります。
場面別の例文で書き方をつかむ
議事録では、曖昧なメモを、確認できた事実に基づく具体的な文章に直すことが大切です。以下は書き方を説明するための架空の例です。
例1:担当者と期限が決まった場合
メモの状態:
「営業資料、田中さんが来週までに修正」
議事録に整えた例:
「田中さんが営業資料の料金表を修正し、11月12日までに共有フォルダへ保存する。」
「来週まで」は具体的な日付を確認して置き換えます。修正の対象や共有先もわかると、次の行動が明確になります。
例2:意見は出たものの決まらなかった場合
メモの状態:
「問い合わせ窓口、チャット導入もよさそう」
議事録に整えた例:
「問い合わせ窓口へのチャット導入案が出た。費用と運用体制が未確認のため、導入の可否は保留とする。」
前向きな意見が多かったことと、導入が決まったことは別です。会議で確認された状態を、そのまま記録しましょう。
例3:複数の案から方法を選んだ場合
メモの状態:
「研修はオンライン。会場は使わない」
議事録に整えた例:
「次回の社内研修はオンラインで開催する。複数拠点から参加でき、移動時間を抑えられることを理由に採用した。」
採用理由は、実際に会議で示されたものだけを書きます。理由も残しておくと、あとから方針を見直す際の手がかりになります。
結論に短い理由を添えるだけでも、会議に参加していない人に伝わりやすくなります。
提出前は文章の美しさより、事実の正確さを確認する

書き終えたら、まず人名・日付・数字・決定内容を確認します。誤字を直すだけでなく、会議で決まったことと一致しているかを見直しましょう。
- 提案と決定事項を混同していないか
- 対応事項に担当者と期限があるか
- 保留事項や未確認の内容がわかるか
- 金額・数量・日付に間違いがないか
- 自分の感想や推測が混ざっていないか
- 共有先と確認手順が社内ルールに合っているか
「問題のある案だった」など、記録者の評価を事実のように書くことは避けます。「費用が予算を上回るため、採用を見送った」のように、確認された内容で表現してください。
会議後は記憶が鮮明なうちに整理し、指定された期限までに確認を依頼します。迷った箇所を具体的に示して確認してもらうと、相手も修正しやすくなります。
「全部書こうとして、途中から話についていけなくなります。メモが少ないと、仕事をしていないと思われそうで不安です。」
私なら、まず「このメモを読んで、次にすることがわかるか」を基準にします。発言をたくさん残すことより、会議の結果を使える形で残すことが大切だからです。
次の会議では、メモの上部に「決定・担当・期限」の3つを書いておきましょう。その欄を埋める意識を持つと、聞くべきポイントを絞りやすくなります。
議事録は会議の結果と次の行動が伝わればよい
初心者が議事録を書くときは、「何が決まり、誰が、いつまでに対応するか」を中心に整理しましょう。必要な理由や保留事項を添えることで、あとから確認しやすい記録になります。
わからない部分を、もっともらしい文章で埋める必要はありません。不明点を確認し、正確に残すことが信頼につながります。
最初の一歩は、次の会議の前にひな形を用意しておくことです。まずは会議名と議題を入力し、「決定・対応・保留」の欄を作るところから始めてみてください。