
電話対応は社会人の基本といわれますが、最初から完璧にできる人ばかりではありません。
大切なのは難しい敬語を使いこなすことより、相手の名前や用件を正確に確認し、必要な人へつなぐことです。
基本的な流れと定番フレーズを覚えてしまえば、突然の電話にも落ち着いて対応しやすくなります。
この記事では電話対応の基本を、受け方からかけ方、不在時の対応、聞き取れない場合まで順番に解説します。
「これだけ覚えておけば大丈夫」という型を身につけて、電話への苦手意識を少しずつ減らしていきましょう。
- ✨ 社会人が覚えておきたい電話対応の基本的な流れ
- ✨ 電話を受ける・かける・取り次ぐときの実践的な例文
- ✨ 聞き取れない、担当者が不在など困った場面への対処法
電話対応は「型」を覚えれば怖くない

社会人の電話対応で最初に覚えたいのは、丁寧さよりも正確さを優先するという考え方です。
もちろん敬語や声の印象も大切ですが、電話の目的は必要な情報を正しく受け渡すことにあります。
そのため、相手の会社名や名前を聞き取れなかったときに、わかったふりをする必要はありません。
聞き取れなければ、その場で丁寧に聞き直すことが正しい対応です。
電話を受ける場合は、「出る→名乗る→相手を確認する→用件を聞く→取り次ぐ・伝言する→確認して切る」という流れを覚えましょう。
会話をゼロから考えるのではなく、決まった手順に沿って進めると、新社会人でも対応しやすくなります。
電話対応で正確さが大切な理由
ビジネスの電話では、自分個人ではなく会社の窓口として対応しているという意識が大切です。
電話では表情や身振りが見えないため、相手は声と言葉からこちらの印象を判断します。
ただし、新社会人だからといって流暢な受け答えを最優先する必要はありません。
名前や電話番号を間違えて伝えるほうが、少し聞き返すことより仕事上の影響が大きいからです。
電話は情報の受け渡しでもある
会社にかかってくる電話には、問い合わせ、取引先からの連絡、担当者への取り次ぎなど、さまざまな目的があります。
電話を取った人がすべての質問に答える必要はありません。
まずは「誰から」「誰宛てに」「何の用件で」電話があったのかを把握することが基本です。
新人のうちは「自分で解決する」より「正しく受けて正しくつなぐ」ことを意識するとよいでしょう。
復唱はミスを防ぐ重要なテクニック
電話では、似た会社名や人名、数字などを聞き間違えることがあります。
そこで役立つのが復唱です。
「株式会社○○の田中様でいらっしゃいますね」「お電話番号は03-XXXX-XXXXでよろしいでしょうか」のように確認します。
復唱には、自分の聞き間違いを防ぐだけでなく、相手にも「正しく伝わった」と安心してもらえるメリットがあります。
メモを取りながら話す習慣をつける
電話対応では、電話の近くにメモと筆記用具を準備しておくと安心です。
特に新社会人のうちは、会話が終わってから内容を思い出そうとすると抜けが生じやすくなります。
最低限メモしておきたい情報
- 相手の会社名
- 部署名
- 相手の名前
- 電話を受けた日時
- 誰宛ての電話か
- 用件
- 電話番号
- 折り返しが必要か
全部を文章で書こうとせず、重要な単語や数字を中心に記録すると会話についていきやすくなります。
電話を受けるときはこの流れを覚えよう

電話対応に慣れていない新社会人は、受電の流れを一つのルーティンとして覚えるのがおすすめです。
勤務先独自のルールがある場合は、一般的なマナーより社内マニュアルを優先してください。
電話が鳴ったら早めに出る
一般的なビジネスマナーでは、電話は2〜3コール程度までに取ることが目安とされています。
ただし、「1コールで取る」など独自のルールを決めている会社もあります。
電話に出るのが遅れた場合は、「お待たせいたしました」と一言添えると丁寧です。
第一声では会社名と自分の名前を名乗る
会社によって定型フレーズは異なりますが、基本形は「お電話ありがとうございます。株式会社○○、△△でございます」です。
プライベートの電話のように「もしもし」と始めるのではなく、会社で決められた挨拶を使うのが一般的です。
相手の会社名と名前を確認する
相手が「株式会社□□の佐藤と申します」と名乗ったら、「株式会社□□の佐藤様でいらっしゃいますね」と確認します。
ここで聞き取れなかったまま話を進めないことが重要です。
聞き取れなければ、「恐れ入りますが、もう一度会社名をお伺いしてもよろしいでしょうか」と尋ねれば問題ありません。
担当者へ取り次ぐ
「営業部の山田様をお願いします」と言われたら、担当者の状況を確認します。
「山田でございますね。少々お待ちくださいませ」と伝え、保留にしてから取り次ぎましょう。
保留にする前に相手へ一言伝えることも忘れないようにします。
担当者が不在なら状況に合わせて案内する
担当者が席にいない場合は、「申し訳ございません。山田はただいま席を外しております」のように伝えます。
そのうえで、「戻りましたらこちらからお電話するよう申し伝えましょうか」と確認するとスムーズです。
折り返しを希望された場合は、相手の名前と電話番号、用件を必ず確認しましょう。
電話をかけるときは相手の時間を意識する
電話をかける場合も基本となる型があります。
名乗る→相手を確認する→都合を確認する→用件を簡潔に伝えるという順番を覚えておきましょう。
電話をかける前に用件を整理する
電話がつながってから「何を話すんだっけ」と考えると、会話が長くなってしまいます。
相手の名前、伝える内容、確認したいこと、必要な資料を手元に準備してから電話をかけます。
つながったら自分から名乗る
「お世話になっております。株式会社○○の鈴木と申します」のように、会社名と自分の名前を伝えます。
初めて連絡する相手なら、「突然のお電話失礼いたします」と添える方法もあります。
担当者につながったら用件を伝える
担当者に代わってもらったら、改めて自分の会社名と名前を伝えます。
長くなりそうな場合には、「今、少々お時間よろしいでしょうか」と確認すると丁寧です。
電話はこちらの都合だけで相手の時間に割り込む連絡手段でもあります。
だからこそ、要点を整理して簡潔に話す意識が重要です。
電話の終わりは感謝を伝える
用件が終わったら、「お忙しいところありがとうございました。失礼いたします」と挨拶します。
最後まで落ち着いて丁寧に対応することで、気持ちのよい印象につながります。
困ったときに使える電話対応の例文
電話対応では、困った場面ほど定型フレーズを知っていると安心です。
新社会人が遭遇しやすいケースを見ていきましょう。
相手の名前が聞き取れなかった
「恐れ入りますが、もう一度お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」
一度で聞き取れなくても、焦る必要はありません。
聞き返すことより、聞き間違えたまま取り次ぐことを避けるのが大切です。
会社名が聞き取れなかった
「恐れ入りますが、もう一度御社名をお伺いしてもよろしいでしょうか」
社名だけを聞き直せばよいので、何が聞き取れなかったのかを具体的に伝えましょう。
担当者が休みだった
「申し訳ございません。山田は本日休みをいただいております」など、勤務先のルールに沿った表現で案内します。
その後、「よろしければご用件を承ります」と続ければ、必要な情報を預かれます。
自分では答えられない質問をされた
新人のうちは、商品の詳細や契約内容など、答えがわからない質問を受けることもあります。
その場合は、「確認いたしますので、少々お待ちいただけますでしょうか」と伝えて確認しましょう。
わからないことを推測で答える必要はありません。
相手の声が小さくて聞こえない
「恐れ入ります。少々お電話が遠いようです」と伝える方法があります。
「声が小さいです」と直接指摘するより、通信状況を理由にした表現のほうが角が立ちにくくなります。
担当者の名前がわからないと言われた
「差し支えなければ、ご用件をお伺いしてもよろしいでしょうか」と確認します。
内容がわかれば、社内で適切な担当部署を確認できます。
電話番号を確認したい
「念のため、お電話番号を確認させていただいてもよろしいでしょうか」と尋ねます。
数字は特に聞き間違いやすいため、最後に復唱しましょう。
困ったら「恐れ入ります」「確認いたします」「少々お待ちください」の3つを使うと、多くの場面に対応できます。
入社して間もないのですが、電話を取るたびに緊張して相手の会社名を忘れてしまいます。先輩は普通に対応しているので、「社会人なのに電話も取れない」と思われそうで怖いです。
新社会人からよく聞くのが、「敬語を間違えないようにしようとして、肝心の用件が頭に入らなくなった」という悩みです。
そんなときは、敬語を完璧にすることより「会社名・名前・用件・連絡先」の4項目を確実に取ることを優先してみてください。
電話の横に、この4項目を書いたメモ用紙を置いておくだけでも負担はかなり変わります。
聞き取れなければ、「恐れ入りますが、もう一度お願いいたします」と確認すれば大丈夫です。
電話対応は知識だけで完成するものではなく、実際のやり取りを重ねることで言葉が自然に出るようになっていきます。
最初から先輩と同じ速さを目指さず、「今日は相手の名前を確実に取る」のように、一つずつできることを増やしていきましょう。
新社会人が覚えるポイントは意外とシンプル
電話対応の基本は、難しい敬語を大量に暗記することではありません。
相手の情報を正確に聞き、適切な担当者へつなぎ、必要な内容を確実に伝えることが中心です。
電話を受けるときは、会社名と名前を名乗り、相手の会社名・名前・用件を確認します。
担当者が不在なら、折り返しが必要かを確認し、連絡先と用件をメモしましょう。
こちらから電話をかける場合は、事前に用件を整理し、相手の時間を意識して簡潔に伝えます。
わからないことを曖昧なまま処理しないことも、社会人として大切な姿勢です。
聞き取れなければ聞き直し、答えがわからなければ確認する。
この基本を守るだけでも、大きなミスは防ぎやすくなります。
電話対応はセンスではなく、型と反復で身につけられる仕事のスキルです。
まずは定番フレーズを手元に置いて電話を取ってみよう
新社会人になって突然会社の電話を任されれば、緊張するのは自然なことです。
電話が苦手だからといって、社会人として能力が足りないわけではありません。
最初のうちは定番フレーズを書いたメモを電話のそばに置き、見ながら対応しても構いません。
何度か同じ流れを経験すると、「次は相手の名前を確認する」「次は担当者へつなぐ」と先を予測できるようになります。
一番避けたいのは、失敗が怖くて確認をしないことです。
聞き取れなかったら聞き直す、迷ったら保留して先輩に確認するという安全な対応を選びましょう。
まずは一本の電話を「正確に受ける」ことから始めれば十分です。
今日できなかったことも、次の電話では一つできるようになるかもしれません。
そうやって経験を積み重ねるうちに、受話器を取った瞬間に自然と定番フレーズが出てくるようになります。